東北海道の地域設定とその基本的な考え方について

東北海道を考えるにあたっては、まず初めに東北海道という地域をどう設定するのかを考えなければなりません。

一般に、東北海道という場合には、近年では「ひがし北海道」と言われる、北からオホーツク圏(オホーツク総合振興局に属する地域)、釧路圏(釧路総合振興局に属する地域)、十勝圏(十勝総合振興局に属する地域)、そして根室圏(根室振興局に属する地域)を包含する地域を指します。

しかし、東北海道の地域区分を設定するということは同時に東北海道ではない地域区分をどう定義し、設定するのかを決めることでもあります。また、東北海道を含めた北海道の地域区分については、行政をはじめ地域区分に関係する団体のそれぞれの考え方によって様々な地域区分があり、一様に定義されているものではありません。
したがって、私もまた私自身の考えに基づいた東北海道の地域を設定いたします。この地域設定に関しては批判もあるだろうことは十分承知しておりますが、各々の主張を比較検討することで、今後の修正もあり得るものと考えております。

私は、東北海道を北海道の東側と設定した場合、東北海道ではない地域を以下の2つの案で設定することができると仮定してみました。一つは北海道を東西南北に分けて、東北海道、西北海道、南北海道、北北海道の4地域で設定する案、もう一つは東北海道ではない地域を西北海道として2地域で設定する案であります。

私が2つの案を検討するにあたって、前提とする3つの条件を挙げておきます。
まず、地勢的な条件を考慮した区分とすることであります。
次に、生活、文化、経済などの諸条件を多面的に考慮して、無理のない設定とすることであります。
最後に、現在の行政区分をできる限り分断することなく設定することであります。

地勢的な条件では、北海道には南部には日高山脈、中部には大雪山系という大きな山地がありますので、これらの山々が地勢的、気候的、そして風土的にも東側と西側の分岐であろうと考えております。
しかしながら、その条件によると北部には大きな山地がなく、この北部の地域をどのように設定するのかという問題が残ることとなります。

生活、文化、経済などの諸条件については未確認であるものもありますが、とりわけ北部では大きな消費地である都市圏間の距離が長く、住民の買い物やサービス、娯楽での移動距離を検証する必要があります。また、国際交流を含む東北海道の地域外との文化交流、経済交流の状況を加えて、総合的に分析をする必要もあります。そのため、現状では私が考えている範囲での設定となることをご容赦いただければ幸いです。

現在の行政区分を分断しないということでは、北海道にある現行の総合振興局、振興局の14の区分設定を活かし、他の条件も加味した設定をいたしております。
以下に、北海道の各総合振興局、振興局が所管する地域を図示します。

旅行のとも、ZenTech > 日本地図 > 北海道地図」より引用 
※一部に地域区分の誤表示がありますことをご了承ください。

ではここで、北海道を東西南北の4地域とする案について考えてみます。
北海道ではすでに道央、道南、道北、道東の4つの地域区分があると言われます。しかし、この地域区分は具体的なものではなく、その境界線は組織や団体、あるいは人によって、いわば様々であり、確定しているものではありません。
私もこの4区分のあり方を考えておりましたが、例えば道南地域、私の地域区分における南北海道を考えた時には、一般的には渡島総合振興局、檜山振興局の2つの振興局管内をいうこともあれば、それに後志総合振興局、胆振総合振興局、日高振興局の3つの振興局管内を加えることもあり、各地域の文化や経済圏を考えても区分が難しいものがあります。ただし、東北海道との境界を考えれば、日高山脈を越えることはないと言えます。
道央地域について言えば、私の設定では4つの区分の中で西北海道とする地域でありますが、空知総合振興局、石狩振興局の2つの振興局管内をメインに、後志総合振興局、胆振総合振興局、日高総合振興局を包含し、それに上川総合振興局の南部(旭川、富良野地区)を含む場合もあるようです。こちらも東北海道との境界については大雪山系を越えるものでははありません。
北北海道地域である道北については、これは最も区分が難しい地域でありますが、宗谷総合振興局と留萌振興局の2つの振興局管内に上川総合振興局の北部、さらにオホーツク総合振興局の紋別地域を含む場合があるようです。これは文化的、経済的に、感覚的には納得できるものでもあります。一方で、行政区分の面では曖昧であることが否めず、地域の境界を明示することは困難なものと考えております。
こうして北海道を4つの地域に区分し、その中で東北海道の地域を設定することになれば、地域の境界を明確にすることは難しいものであり、加えて、公平で均等な地域区分を設定することも困難であると考えます。

そこで、北海道に東西の2つの地域を設定し、それぞれ東北海道、西北海道とする案を採用することにいたしました。

それではここで私が考える東北海道の地域設定を提示いたします。
以下の図の青で囲んだエリアが私の設定する東北海道であります。

ACワークス株式会社「地図AC」より。「北海道の白地図 – 文字入り」に加筆

ご覧になればお判りいただけるかと存じますが、冒頭で紹介した「ひがし北海道」とされる地域に宗谷総合振興局に属する地域を加え、かつ歯舞諸島、色丹島、国後島、択捉島の北方領土を加えた地域を「東北海道」の地域と設定することにしております。なお、今後、このサイトでは北海道の東北海道ではない地域を、仮に「西北海道」と表現することになるものと考えております。
なお、東北海道を上記の図の地域区分にすることによって、北方領土を除き、現行の日本国における衆議院議員総選挙の北海道7区、北海道11区、北海道12区の3つの選挙区を合わせた地域と同地域に設定することができ、その意味においてもこの東北海道の地域設定は有効性が高いのではないかと自負しております。

おそらくこの地域設定をご覧になられた方の中には唐突な印象があろうことかと思っております。また、「おいおい、これは違うぞ。」と仰られる方も少なくないことと思っております。また、私にとっても東北海道の、とりわけ中部以北の地域の地域区分は本当にこれで良いのかという思いもございますが、これは現在の行政区分を活かすという条件を提示しておりますので、当面はこの地域設定を維持することにいたします。

多々のご批判があることを承知の上で、私はこの東北海道の地域設定が有意義であって、将来的に新たな価値を生みだすのだということを、今後様々な角度から検証してまいりたいと考えております。

2021.07.18

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